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「おとこ飯」の女性化は当然の流れ

カテゴリー:生活者動向食トレンド
タグ:ヘルシーラーメン商品開発女性店づくり野菜餃子

餃子

 

■「おとこ飯」の女性化は当然の流れです!

 

「おとこ飯」って?

いわゆる、こってりギトギト油でカロリーの高いラーメンに餃子など、

男性が好んで食べているメニューの事。

敬遠していた女性も多かったのではないでしょうか。

しかし、「おとこ飯」の代表である、ラーメンや餃子は

野菜をふんだんに使い、見た目や栄養価も考えられた

メニューへの進化が止まりません。

当然、きれいな店内は女性が入りやすく、居心地よく工夫されています。

 

 

■なぜ?ラーメンや餃子は女性化するのか?

  1. 女性もラーメンが好き
  2. 女性で増加するひとり外食
  3. 女性は外食でも栄養バランスを考えている

 

理由の1つ目は、

女性もラーメンが好き

昨年3月に発表された、リサーチバンクの「ラーメンに関する調査」によると、

73%の女性はラーメンが「大好き」、「好き」と回答しています。

男性の「大好き」、「好き」が、80.8%なので、男女さは実に7.2ポイントで

男性だけではなく、ラーメンは女性も好きということが言えます。

 

理由の2つ目は、

ひとり外食をする女性が増えている

これは、女性の社会進出や単身世帯の増加が大きいと考えます。

カフェやファミレス、イタリアンバールで見まわしてみると、

思っている以上に、ひとり外食の女性が目立つようになりました。

JMR生活総合研究所のオリジナル調査によると、

女性のひとり外食への抵抗感は44.4%と、すでに半数は切っています。

ランチだけではなく、夜ご飯のひとり外食も多く、

「ひとりで食べる方が気楽」と考えている積極派の女性と

「一緒に食べる人がいないから」と考える消極派の女性とも

34.5%の同数で、決してひとり外食積極派が少ないとは言えない状況です。

 

 

理由の3つ目は、

女性は外食へ栄養バランス期待している

同じく、JMR生活総合研究所のオリジナル調査によると、

外食への期待することは、男性と女性で異なり「価格が安い」以外の

「気軽に入りやすい」、「おいしい」、「スペースがゆったり」、

「野菜がたくさん食べられる」の4項目で女性の方が期待値が高い結果になりました。

・「価格が安い」:男性44.7%/女性は30.2%

⇒男性の方がお店に対して価格への期待値が高い

 

・「おいしい」:男性49.4%/女性59.9%

・「野菜がたくさん食べられる」:男性11.1%/女性17.3%

⇒女性は、味、栄養についても期待している

 

「野菜がたくさん食べられる」は特にシングル層での期待値が高く、

女性は常に食生活において栄養バランスを摂ろうとしていることが伺える結果です。

 

 

上記の理由からも

 

近年、女性のために考えられたラーメンや餃子が受け、

人気を博してているというのは当然の流れなのです。

 

なぜなら、

今までこれらのニーズに応えているメニューやお店が無かったのです。

 

■麺にスープにトッピングすべてに野菜を使った女性に人気の「ベジソバ」とは?

 

画像引用:ウレぴあ総研

 

ミシュラン東京2015ビブグルマンにも選ばれたソラノイロは

今まで見たことがないラーメン「ベジソバ」が大人気です。

ホームページには、日本初、麺・スープ・トッピング全てに野菜を使った

ヘルシーなラーメンと記載されています。

 

●パプリカを練りこんだ麺

●玉ねぎ、キャベツ、ニンジンを中心とした野菜だしに、
ニンジンピューレでポタージュのようなとろみのあるスープ

●200g~250gの野菜のトッピング

 

単なる女性を意識した、野菜ラーメンではありません。

野菜を使っているからと言って物足りなさは感じることはなく
とても満足感のあるボリューム満点のラーメンです。

途中で柚子胡椒で味に変化をつけることで、最後まで飽きることなく
食べることができます。

多種多様の野菜たちは、生野菜、茹で野菜、野菜チップと
食感にも変化があり、女性が好む要素はすべて盛り込まれているラーメンと
言えるでしょう。

また、料理だけではなく、お店作りも女性が入りやすいように意識されています。

 

 

■美肌と血液浄化に効果のある有機ハトムギ使用、女性のための水餃子

 

画像引用:日替りdancyu

 

女性誌でも注目度が高い按田餃子(あんだぎょうざ)は

料理研究家がオープンした水餃子のお店。

水餃子というだけで、焼き餃子よりグッとヘルシーな印象をもつ女性も多いですね。

こちらの水餃子の特長は、具は国産の鶏と豚をベースに季節ごとの素材を組み合わせ

自家製の皮は殻ごと粉末にした有機ハトムギ配合です。

 

●焙った殻ごと粉末にした有機ハトムギ配合の自家製の皮

●餡は国産の鶏と豚をベースに季節の野菜を組み合わせる
・キャベツと生姜
・香菜と胡瓜
・大根と搾菜
・カレー風味と人参

●水餃子なので油なし!

 

有機ハトムギは、皮を剥いた種子をヨクイニンと呼び、昔から漢方で利尿効果やむくみ、

滋養強壮、美肌などに利用されており、近年、栄養効果が高いと注目されている穀物です。

茶色い皮は、いかにも栄養のありそうです。

 

餡もとても特長があります。ベースは国産鶏と豚ですが、

普通、餃子にはあわせないでしょう?!という野菜の組み合わせ。

例えば、カレー風味と人参は力強い皮との相性がバッチリ!

皮に負けない餡なのです。

 

そして帽子の形をしているのも、パスタみたいでかわいいですね。

 

個性的な味で食べる人を健康にする水餃子

水餃子ってあっさりした印象を持っている方も多いと思いますが、

この水餃子は皮の力強さと餡の味のバランスがちょうどよく

また、いろいろな調味料が入った餃子のタレで味の変化も楽しめます。

油でパリッと焼いていないにも関わらず、満足感たっぷりの水餃子です。

しかし!胃もたれなどしないのが、この水餃子のポイントでしょう。

 

こちらの内装も少し個性的な中国カフェといった感じです。

ギラッとした餃子屋さんよりカフェっぽいお店だと女性は入りやすいですね。

 

 

■まとめ

女性は食に対してとても積極的です。

パクチーなどのとても癖のあるものでも、

おいしいアジアのご当地ごはんを経験することで

自分の好きなメニューにしてしまいます。

ラーメンに餃子、女性が入りにくいあまりきれいではないお店、ヘルシーじゃない料理

、、、、私の周りの女性たちは敬遠する人が圧倒的に多いです。

 

今まで、なぜ女性がラーメン屋さんや餃子屋さんに行かなかったのか?

 

それは、

女性が行きたいと思うお店やメニューが無かったからです。

 

現在、日本の25~54歳の女性の就業率は71.8%と年々伸びています。

専業主婦が少なく、女性のライフスタイルは大きく変化しています。

 

女性の特性をもう少し観察して商品開発をすることで、

女性たちが自然に食べたいと思うメニューやお店が増え、

選択肢を増やすことも女性たちを支えることではないでしょうか。

 

 

<参照元>

ソラノイロ

按田餃子

リサーチバンク

JMR生活総合研究所